
デザインの勉強を始めてみようと思うんですけど、正直その先が想像できなくて。スキルが身についたとして、それでどうなるんだろうって。





いい質問ですね。先が見えないまま走り出すのは、けっこうしんどいですから。





年収が上がるとか、そういう話なんですかね。





それもありますけど、実際に変わった人が口を揃えて言うのは、もっと別のことなんですよ。
この記事で扱うテーマ
無料で作ったバナーが、いいね3倍になったら
たとえば、こんな人を思い浮かべてみてください。メーカーの事務職として3年働いている、27歳の人です。未経験からデザインを学んだ人の体験談によく出てくる流れを、ひとりの例にまとめました。
仕事に強い不満があるわけではありません。ただ、こう感じています。
デザインを学び始めたあと、知り合いのカフェのバナーを無料で作ってみます。
オーナーがそれをインスタに載せたところ、いいねが普段の3倍ついた。
自分にもデザインができるかもって、初めて思えたんです
ここまでは、よく聞く話かもしれません。
ただ、こういう経験をした人がよく口にする一言が、学んだ先に何があるのかを、はっきり言い当てていました。
会社員の成果は、見えない
それがこちらです。
事務の仕事って、自分のアウトプットが数字で返ってくることってほぼないじゃないですか
ここに、会社員の仕事の構造があります。
書類を処理しても、電話に対応しても、それがどこにどう効いたのかは分かりません。
評価は半年か1年に1度、上司から伝えられます。しかも数字ではなく、言葉で。





たしかに。やった仕事がどうなったのか、わからないまま次に進んでます。





成長している実感が持てないのは、能力の問題じゃないんです。返ってこないだけなので。
「このままでいいのか」という感覚の正体は、たいていここにあります。
何かが足りないのではなく、自分がどれだけやれているのかを測る手段がない。
会社との距離感については、こちらでも書きました。


自走するとは、反応が返ってくること
スキルを身につけると何が変わるのか。
年収や肩書きの前に、もっと手前で変わることがあります。
自分のやったことが、直接反応として返ってくるようになります。
| 会社の中 | 自分で作る側 | |
|---|---|---|
| 結果が返るまで | 半年〜1年 | 数日〜数週間 |
| 返ってくる形 | 上司の言葉 | 数字・反応 |
| 誰が判断するか | 評価者 | 見た人全員 |
バナーを作れば、いいねの数が出ます。サイトを作れば、アクセス数が出ます。
良かったのか悪かったのか、誰かに聞かなくても分かる。
これが、自走している状態の正体だと思います。
悪い反応も、返ってきます
ただし、良い反応だけが返るわけではありません。
作ったものが刺さらなければ、数字は動きません。修正を何度も求められることもあります。
言い訳ができない状態になる、とも言えます。
会社なら「上司の指示だったので」で済む場面が、自分の作ったものには使えません。


なった後も、楽ではありません





スキルさえ身につけば、あとは順調って感じですか?





そこは正直に言っておきます。なってからのほうが、しんどい時期がありますよ。
未経験からWebデザイナーになった人の体験談を読むと、最初の3ヶ月から半年ほどは、スキルだけでなく業界の知識が足りずに苦労したという声がよく見られます。スキルが追いつかないもどかしさが1年ほど続いたという人も少なくありません。
学び終えた時点がゴールではありません。そこがスタートラインです。
「デザインが好き」という気持ちだけでは続けるのが難しかった、と振り返る現役デザイナーもいます。
転職活動そのものも、簡単ではありません。未経験からの転職では、20社以上に応募したという体験談も珍しくありません。
情報を集めるほど、「3ヶ月で転職成功」という話と「半年やっても書類すら通らなかった」という話の両方が出てきて、どちらが本当なのか混乱したという声もあります。
どちらも本当です。早い人もいれば、時間がかかる人もいる。それだけの話です。


それでも、戻らない理由
しんどい時期があると分かっていて、なぜ戻らないのか。
前の職場のほうが、給料は安定していて、責任も軽かったかもしれません。
ただ、一度反応が返ってくる状態を知ってしまうと、戻りにくくなります。
- 1自分が上手くなっているかどうかが、自分で分かる
- 2合わない仕事を、自分の判断で断れる
- 3会社がなくなっても、作れるものは減らない
3年後も同じことをしている自分が想像できる、という状態からは離れられます。
もちろん、楽になるわけではありません。
しんどさの種類が変わるだけです。
ただ、そのしんどさは自分で選んだものになります。
最初の一歩は、無料で構いません





その「反応が返ってくる」っていうのは、仕事を受けられるようになってからの話ですよね。まだ先が長いです。





いえ、そこは早めに来ます。さっきの例も、無料で作ったバナーでしたよね。
反応をもらうのに、お金は要りません。
- 1知り合いの店や、家族の仕事で使うものを作らせてもらう
- 2好きなお店のサイトを、練習として作り直してみる(公開はしない)
- 3SNSに作ったものを載せてみる
作品集を作るときも、実績ゼロなら架空の案件で構いません。現役のデザイナーも、最初はそうしています。
見せ方のコツ
完成品だけを並べるより、最初のラフ案と完成形を並べて「なぜこちらを選んだか」を書くほうが評価されます。
制作の途中を見せるのは、失敗をさらすことではありません。考えた過程が伝わります。
上手いかどうかより、何を考えて作ったかが見えるほうが強いということです。


まとめ:測れる状態に移る





年収が上がる話だと思ってたんですけど、そこじゃないんですね。





収入は後からついてきますからね。先に変わるのは、自分の状態のほうです。
今日の内容を整理します。
- 1会社の仕事は、成果が数字で返ってこない
- 2「このままでいいのか」は、測る手段がないから起きる
- 3自走している状態とは、反応が直接返ってくる状態のこと
- 4なってからも1年ほどはジレンマが続く
- 5それでも戻らないのは、自分で測れるようになるから
スキルを身につけることは、目的ではありません。
自分のやったことが返ってくる場所に移るための、手段です。
そして最初の反応は、無料で作ったバナー1枚からでも来ます。
誰かに喜ばれる経験は、資格や実績の前にもらえます。
これから学ぶ方は、こちらもどうぞ。
文章の仕事で同じ段階を目指す方は、こちらを。





実家の店のチラシ、作ってみようかな。喜ばれるかは分かりませんけど。





分からないから、やる価値があるんですよ。反応が返ってくるって、そういうことですから。
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