
今年の昇給、また数千円でした。残業も休日対応もけっこうやったのに。自分って、会社からそんなに評価されてないんですかね。





頑張った分が数字に出ないのは、がっかりしますよね。ただ、昇給の額は、あなたの評価だけで決まっているわけではないんです。





え⁉︎じゃあ、何で決まってるんですか?





今回は、実際に昇給を決める側の本音を聞いてきました。会社の中の話、少し覗いてみましょう。
この記事で扱うテーマ
昇給の平均は13,601円。ただし差が大きい
まず、世の中の昇給額を確認しておきます。
2025年に会社が引き上げた月給は、1人あたり平均13,601円。比べられる1999年以降で、過去最高です。
ただ、中身を見ると差がかなりあります。
| 区分 | 1人あたりの引き上げ額(月) |
|---|---|
| 建設業(最も高い) | 20,724円 |
| 医療・福祉(最も低い) | 5,589円 |
| 従業員5,000人以上 | 16,784円 |
| 従業員100〜299人 | 10,264円 |
出典:厚生労働省「令和7年 賃金引上げ等の実態に関する調査」(2025年10月公表)。従業員100人以上の会社が対象
業種だけで4倍近い差。同じように働いていても、いる場所で上がる額がまるで違います。
しかも、年齢や勤続年数で自動的に上がる仕組みの会社は27.5%だけでした。「長くいれば上がる」会社は、少数派です。


昇給は「手放したくない人」のためのもの
ここからは、このブログの運営者の話です。運営者はふだん会社を経営していて、社員の給料を決める側にいます。
運営者の本音
正直に言うと、昇給を決めるのは「この人に辞められたら困る」と思ったときです。
給料を上げれば、経費も税金も増えます。特に中小企業では、一度決めた給料はなかなか動かせません。
それでも上げるのは、辞められたら困るとき。昇給は、ご褒美というより引き止めるための費用なんです。
国の調査でも、約半数(49.8%)の会社が、賃上げで重視した要素に「人手の確保・定着」を挙げています。
出典:厚生労働省「令和7年 賃金引上げ等の実態に関する調査」(重視した要素・複数回答)


「頑張り」と「替えが効かない」は別の物差し





どんな人なら「辞められたら困る」って思われるんですか?





それも聞いてあります。答えはかなりシンプルでしたよ。
運営者の本音
その人にしかできない仕事がある人です。頑張りはちゃんと見ています。ただ、替えが効く仕事だと、それだけで昇給までは決めにくいのが正直なところです。
働く側は「こんなに頑張っているのに」と考えます。会社側は「この人がいなくなったら困るか」で考えます。
物差しが違うので、頑張っても上がらないということが起こります。
頑張りが無駄なわけではありません。昇給につながるのは、頑張りの量より替えの効きにくさのほう、ということです。
昇給の交渉はしていい。ただ伝え方がある





でも、給料上げてくださいって言ったら、がめついやつだと思われませんか?
運営者の本音
むしろ、ちゃんと言ってくれる人は個人的に好きです。その不満が本人だけのものか、会社全体の問題なのかは、必ず話を聞いて確かめます。
交渉すること自体は、悪い印象になりません。ただ、上げるかどうかを決めるのは、やはり替えの効きにくさです。
伝え方のヒントもあります。「自分がもっと欲しい」だけだと、個人の話で終わりがちです。「今の体制だと、ほかの人も同じ不満を持つかもしれない」と伝えると、会社の問題として聞いてもらいやすくなります。
上げる余力がない会社の3つのサイン
そもそも、今の会社に給料を上げる余力はあるのか。外から見て分かるサインを、運営者に挙げてもらいました。


サイン1:残業代を出し渋る
運営者の本音
残業代を払えない会社に、昇給の余裕はまずありません。逆に、分単位できっちり払う会社は、余力がある証拠です。
残業代の支払いは、労働基準法で決められた会社の義務です。給与明細の残業代の欄は、会社の余力を映す鏡にもなります。
サイン2:業績が苦しい
国の調査でも、賃金を決めるときに「最も重視した要素」を1つ選ぶ質問では、「会社の業績」が41.7%で最多でした。決算の数字が見えなくても、手がかりはあります。
運営者の本音
自分の部署の売上と、ざっくりした経費が分かれば、会社の余力はだいたい見えます。そういう目線を持っている人は、会社としても大事にしたい人です。
経費の目安は、今ならネットやAIでもおおまかに調べられます。会社の数字を見る目は、昇給される側に近づく一歩にもなります。
サイン3:軽んじられていると感じる
運営者の本音
経営者も人なので、いてほしい人には自然と声をかけるし、気にかけます。人が増えるほど、全員に同じだけ目を配るのは難しくなるのが現実です。
大企業でも、上司と部下の関係で同じことが起きます。「なんとなく扱いが軽い」と感じるなら、会社の中での優先度が表に出ているのかもしれません。
替えの効かない人になるには





その人にしかできない仕事って言われても、今の自分にはないです。





最初から持っている人はいませんよ。ここまでの話に、作り方のヒントが入っていました。
- 1その人しか持っていない技能がある
- 2業務の中心を回している
- 3会社の数字を見て、会社のために動ける
1つ目は、仕事の外で身につけることもできます。働く人が勉強に使う時間は1日平均7分なので、少し動くだけで差がつきます。
時間を売る働き方と、自分にしかできないものを積み上げる働き方の違いは、こちらで書きました。
会社に余力がないなら、場所を変える選択肢も
3つのサインに当てはまるなら、どれだけ頑張っても上がる余地は限られます。そのときは、余力のある会社に移るという手もあります。20〜30代で転職した人は、およそ半数が年収アップしています。
まとめ:上がらないのは、頑張りが足りないからとは限らない





残業代、うちの会社は正直けっこう曖昧です。自分の評価より先に、そっちを見るべきだったのかもしれないです。





それに気づけたのは大きいですよ。自分を責める前に、会社のほうを確かめる。順番を入れ替えるだけで、打てる手が見えてきます。
今日の内容を整理します。
- 1昇給の平均は月13,601円。ただし業種で4倍近い差がある
- 2昇給は、辞められたら困る人を引き止めるためのもの
- 3会社の物差しは「頑張り」より「替えが効くかどうか」
- 4交渉はしていい。会社全体の問題として伝えると届きやすい
- 5残業代・業績・扱われ方で、会社の余力は見える
昇給が少ないと、自分の評価が低いと考えてしまいがちです。
ただ、決める側の本音を聞くと、額を左右しているのは、あなたの頑張りより会社の事情のほうが大きいことが分かります。
替えの効かない人になるか、余力のある会社に移るか。どちらを選ぶにしても、まずは今の会社をちゃんと見るところから始めてみてください。





まずは給与明細と、自分の部署の売上を見てみます。そこから、残るか動くか考えます。





いい順番です。数字を見る習慣そのものが、手放したくない人への近道になりますからね〜。


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