
ニュースで「PHPの脆弱性」って見たんですけど、僕がWordPressで運営しているブログも何か問題があったりするんでしょうか?




首相まで「大至急」と呼びかけていたので、不安になりますよね。
いくつ当てはまりますか?
□ PHPが何なのか、よく分からない
□ WordPressを最新にしておけば大丈夫だと思っている
□ 自分のブログのPHPのバージョンを知らない




1つでも当てはまったら、ぜひ読んでいってください。結論から言うと、レンタルサーバーでWordPressを使っているなら、やることはPHPのバージョンを確認することだけです。直すのはサーバー会社なので、慌てなくて大丈夫ですよ。
結論:レンタルサーバーの場合はPHPのバージョン確認
今回の脆弱性は、PHPという、サーバーの中で動くプログラムそのものに見つかった弱点です。
レンタルサーバーを使って活動をされてる方の場合、直す作業はサーバー会社が行うので、レンタルサーバーの利用者が自分で直接対応する必要はありません。
ただし、立場によってやることは少し変わります。まずは、自分がどこに当てはまるか確認してください。
| 立場 | 直すのは | 自分がやること |
|---|---|---|
| サイトの読者 | 各サイトの運営会社 | 特になし(詐欺メールに注意) |
| 発信サービス・ネットショップなどで活動している人 | サービスの運営会社 | お知らせの確認と詐欺メールへの注意 |
| レンタルサーバーでWordPressを使っている人 | サーバー会社 | PHPのバージョンの確認 |
| 自分でサーバーを管理している人 | 自分 | すぐに修正版へ更新 |
この記事では、次のことを紹介します。
- 1PHPの脆弱性で何が起きたのか
- 2WordPressを更新しても直らない理由
- 3自分のブログでPHPのバージョンを確認する方法
- 4運営者が確認して分かったこと
- 5ブログ以外で活動している人がやること
PHPの脆弱性発見で何が起きたのか
今回のニュースは、PHPが何かを知っておくとぐっと分かりやすくなります。まずはPHPの役割から見ていきましょう。
PHPはWordPressを動かす土台
PHPは、サーバーの中で動くプログラミング言語です。WordPressなど多くのWebサービスが、このPHPで作られています。
iPhoneで例えると、PHPはiOS、WordPressはアプリのような関係です。アプリをどれだけ新しくしても、iOSに弱点があれば、スマホ全体が危なくなります。
ログインなしで乗っ取られるおそれがある弱点
今回見つかった2つの脆弱性(通称「PHP2Shell」)は、ログインしていない第三者が、外からサーバーでプログラムを動かせてしまうおそれがあるものです。深刻さの評価は、10点満点で9.2でした。
修正版は10月21日に公開されましたが、攻撃の通信が観測されたという報告も出ています。首相がXで、サイトを運営する人に「大至急」の対応を呼びかけたのも、そのためです。
出典:セキュリティ対策Lab(PHP2Shellの修正版と国内サービスの対応状況)/SmartScope(首相の呼びかけについて)



iOSの例えは分かりやすいです。じゃあ、WordPressを最新にすれば直るんですか?




実は、そこが一番の勘違いポイントなんです。
WordPressを更新しても直らないのはなぜ?
理由は、弱点があるのがWordPressではなく、その土台のPHPだからです。アプリを更新しても、iOSの弱点は直りません。
では、PHPは誰が直すのか。それは、サービスの仕組みによって変わります。


ブログもnoteも、ネット上の活動はすべて、サーバーというパソコンの上で動いています。そのパソコンの中身を誰が管理しているかで、直す人が決まります。
- 発信サービス・ネットショップなど:サーバーごと、運営会社が管理
- レンタルサーバー:PHPまではサーバー会社、WordPressから上は自分が管理
- 自分で管理するサーバー:全部を自分で管理
レンタルサーバーの場合、PHPはサーバー会社の担当です。だから、利用者がやることは直ったかどうかの確認だけになります。
ここがポイント
今回の弱点はPHPにあるので、WordPressやプラグインを更新しても直りません。直すのはサーバー会社。利用者は、直ったかどうかを確認しましょう。
自分のブログでPHPのバージョンを確認する方法
PHPのバージョンは、WordPressの管理画面から1分ほどで確認できます。
- 1管理画面の「ツール」から「サイトヘルス」を開く
- 2「合格したテスト」を開く
PHPが古い場合は「推奨される改善」の中にあります - 3「サイトは推奨バージョンのPHP」の項目で数字を見る


ここで「推奨バージョン」と表示されていても、今回の修正が当たっているとは限りません。WordPressの推奨は、新しめのPHPかどうかを見ているだけです。
PHPの公式が出した修正版は、次の4つです。表示された数字の最初の2つ(8.4など)が同じ行を見てください。
| 系列 | 修正版 |
|---|---|
| 8.5 | 8.5.12 |
| 8.4 | 8.4.27 |
| 8.3 | 8.3.36 |
| 8.2 | 8.2.35 |
| 8.1以前 | 公式の修正版なし |
ただし、サーバー会社によっては、数字はそのままで中身だけ修正する場合があります。なので、確認した数字は次のように判断してください。
- 1表の修正版と同じか新しい
修正済みです - 2表の修正版より古い(8.2以上)
サーバー会社のお知らせで、対応が終わったか確認しましょう - 38.1以前
公式の修正版は出ません。サーバー会社が独自に修正していることもあるので、まずはお知らせを確認しましょう。そのうえで、サポートが終わった古いバージョンなので、8.2以上への切り替えを検討しましょう
運営者のブログは、②でした。
運営者のブログは表より古い数字でも対応済みだった


確認したら、PHPのバージョンは8.4.26でした。
8.4系の修正版は8.4.27なので、表より1つ古い数字です。そこで、使っているConoHa WINGのお知らせを確認しました。
ConoHa WINGは、PHPのバージョンを上げるのではなく、今のバージョンのまま修正(パッチ)だけを取り込む方法で対応していました。10月22日の夜には、すべての対応が完了したと発表しています。
お知らせには、「サイトヘルスなどでは、修正版の番号ではなく、これまでと同じ番号が表示される場合がある」とはっきり書かれていました。修正後のバージョンの一覧にも、8.4.26が入っています。
つまり、表示が8.4.26のままでも、修正は当たっていたということです。数字が表より古くても、慌てて自分でPHPを切り替える必要はありませんでした。
なので、数字だけで判断せず、サーバー会社のお知らせもあわせて確認するのが安心です。お知らせを読んでも分からないときは、サポートに問い合わせてみてください。


出典:ConoHa WING「PHPの脆弱性への弊社対応について」/ConoHa WING「対応完了のお知らせ(終報)」/Webセキュリティ診断センター(各社の対応方式)
やらないほうがいいこと
慌てて動くと、かえってブログが壊れることがあります。次の3つには気をつけてください。
- 慣れないのに、自己判断でPHPのバージョンを切り替える(ブログが表示されなくなることがあります)
- 切り替えて表示が崩れたからと、古いバージョンに戻したままにする
- 「緊急対応」をうたうメールやSMSのリンクを開く
なお、8.1以前を使っている場合は、公式の修正版が出ません。切り替えるときは、バックアップを取ってから、サーバー会社の手順どおりに進めましょう。
ブログ以外で活動している人は何をすればいい?
発信サービス(note・YouTube・Instagramなど)、ネットショップ(BASEなど)、スキル販売サービス(ココナラなど)で活動している人は、自分で直すことはできませんし、その必要もありません。直すのは運営会社です。
やることは、次の2つだけです。
- 1使っているサービスからのお知らせを確認する
- 2「緊急対応」を装った詐欺メールに気をつける
実際に、BASEのように緊急メンテナンスを行ったサービスもありました。お知らせが出ていたら、目を通しておきましょう。
サービスの上での活動は、守ってもらえる代わりに、自分で確かめることはできません。自分のブログは、自分で確かめられる代わりに、自分で気にかける必要があります。どちらが良い悪いではなく、仕組みの違いです。
よくある質問
最後に、今回の件で気になりやすい質問に答えておきます。
WordPressやプラグインの更新はしなくていい?
今回の脆弱性は直りませんが、ほかの弱点を防ぐために、ふだんから最新にしておくのがおすすめです。
パスワードは変えたほうがいい?
一般の利用者全員に変更を求める公的な案内は、出ていません。サービスから変更の依頼が来たときや、不正ログインが疑われるときに変えましょう。
出典:SmartScope
自分でサーバーを管理している場合は?
修正版への更新は、自分で行う必要があります。VPSを借りている人や、自分で作ったツールをサーバーで動かしている人は、早めに確認してください。
まとめ:自分で確認できると不安は小さくなる
- 1弱点はPHPにあり、WordPressの更新では直らない
- 2レンタルサーバーなら、直すのはサーバー会社
- 3やることは、サイトヘルスでのバージョン確認
- 4数字が古くても、修正済みのことがある。サーバー会社のお知らせも確認
- 5ブログ以外で活動している人は、お知らせの確認と詐欺メールへの注意
運営者は今、Google AdSenseの審査に向けて準備をしています。サイトが乗っ取られると、広告が出せなくなるおそれもあるので、今回のニュースは他人事ではありませんでした。
出典:Qiita(ブログやアフィリエイトをしている人が確認すること)
PHPという言葉は難しく聞こえますが、仕組みが分かって自分で確認できると、ニュースを見たときの不安は小さくなります。この記事が、その助けになればうれしいです。
自分のブログの始め方は、こちらで紹介しています。




