
転職エージェントに登録したんですけど、正直もう疲れてしまって。求人は毎日届くし、電話も多くて。

あー、それ結構あるあるですね〜。ちなみに、断ってもまた別の求人が来ませんか?

まさにそれです。断るのも申し訳なくなってきて、最近は電話に出てません。それはそれで罪悪感があるんですけど。

罪悪感を持つ必要はないですよ。あなたの問題じゃなくて、そういう仕組みなので。今日は中身を全部お見せしますね。
この記事で扱うテーマ
転職エージェントで疲弊する理由
先に結論を書きます。
エージェントに疲れてしまうのは、構造的な問題です。あなたのやる気が原因ではありません。
20〜30代の転職検討者312名への調査では、62%(3人に2人)が「転職エージェントに不満を感じた」と回答しました。
出典:キャリナビ(株式会社Assh)が20〜30代転職検討者を対象に実施した自社調査(n=312)
実際に使った人の記録も残っています。
断っても断っても続くやり取りがしんどくて、じゃあもう電話に出なければいいかと思って無視し始めたら、今度は罪悪感が出てくる。
1週間で17件。しかも1社から。
断る、また来る、また断る。その繰り返しに耐えられなくなって着信を無視すると、今度は罪悪感が残ります。
初めてエージェントを使う人は、だいたいこんな感じで疲弊してしまいます。
報酬は「入社」でしか発生しない

仕組み、というのは?そもそもエージェントって無料じゃないですか。

そこがポイントなんです。お金を払っているのは、あなたじゃないので。
エージェントにお金を払うのは、あなたを採用した企業です。
金額は年収の30〜35%が相場。大手エージェント各社が、自社サイトで公開しています。
| あなたの年収 | 企業がエージェントに払う額 |
|---|---|
| 400万円 | 120〜140万円 |
| 500万円 | 150〜175万円 |
| 600万円 | 180〜210万円 |
出典:マイナビ・doda・JAC Recruitment等が公開している手数料相場(理論年収の30〜35%)をもとに算出
そして、一番大きいのがここ。
報酬は、あなたが実際に入社するまで1円も発生しません。
完全成功報酬型と呼ばれる仕組みです。
面談を何時間しても、求人を何十件送っても、入社まで届かなければ売上はゼロ。
途中経過は、金額として一切評価されない構造になっています。
担当者にもノルマがある
次は、担当者側の話です。
キャリアアドバイザーには売上目標があります。人材紹介会社を3社立ち上げた経営者が、実際の数字を公開していました。
| 会社のタイプ | 月間の売上目標 |
|---|---|
| 大手(分業型) | 月500万〜1,000万円 |
| 中小(一気通貫型) | 月200〜300万円 |
月500万円の目標を、年収500万円の人の紹介(1件150万円)で埋めると考えてみます。
計算すると、月に3〜4人を入社まで決めきる必要が出てきます。
1人で30人を担当している
担当人数も見ておきましょう。
- 1担当者1人あたりの求職者:数十人〜30人前後
- 21日に対応できる人数:3〜5人ほど
- 3月に決めきる必要がある人数:3〜4人
30人を抱えて、1日に話せるのは5人まで。その中から毎月3〜4人を入社まで運ぶ。しかも面談だけではなく、求人の選定も、企業とのやり取りも、選考の日程調整も全部あります。
正直、かなりハードです。
だから「迷っている人」は後回しになる

時間がないなら、誰から対応するんでしょう。

決まりそうな人からですね〜。エージェント側の記事に、はっきり書いてありますよ。
大手エージェントが、自社サイトでこう説明しています。
「3ヶ月以内に転職予定」といった具体的な時期を明言すると、対応が進みます。
変に隠したりせず、むしろ親切な案内だと思います。
ただ、これは
転職するか迷っている段階の人は、構造的に後回しになると公言してるのと同じですね。
「週1回は連絡しましょう」という助言
対処法として、よく見かけるアドバイスもあります。
よくある対処法
週に1回は連絡を取る/求人を紹介されたらお礼のメールを送る/マイページに定期的にログインする
こうして転職意欲を示すと、優先的にサポートしてもらえる可能性が高まります。
正しいアドバイスだと思います。実際、効果もあるはずです。
ただ、すでに疲れている人にこれを求めるのは、なかなか酷な話ではないでしょうか。
ただでさえ連絡が多くて疲れているのに、もっと自分から連絡を取れと言われる。
正直無茶な話ですよね。
エージェントが本当に強い場面
ここまで読むと、エージェントが悪者に見えてくるかもしれません。
ただ、そういう話ではないんです。
行き先が決まっている人にとって、エージェントは最強の武器になります。
企業とのやり取り、日程調整、年収交渉。全部代わりにやってくれて、料金はゼロ。非公開求人も持っているので、個人で探していては届かない場所にも手が伸びます。
| こういう人 | エージェントとの相性 |
|---|---|
| 3ヶ月以内に転職したい | ◎ 最短ルート |
| 希望の業界・職種が決まっている | ◎ 精度が高い |
| 条件の優先順位がついている | ◎ 提案が刺さる |
| 転職するか迷っている | △ 後回しになりやすい |
| 何が嫌なのか言葉にできない | △ 求人を選ぶ基準がない |
下2つに当てはまるなら、疲れるのも無理はないと思います。
相性が悪いのではなく、タイミングが違うだけです。
疲れたのは、タイミングの問題だった

下2つ、完全に僕です。何が嫌なのかも説明できないまま登録してました。

じゃあ疲れて当たり前です。エージェントは決めた人を運ぶ場所であって、決めるのを手伝う場所じゃないので。
エージェントの役割は、決まった行き先まで運ぶことです。
行き先を一緒に決める仕事ではありません。求人紹介という業務の、外側にある話だからです。
それを裏付けるデータもあります。
相談と実行のズレ
キャリアに悩む社会人280名の調査では、最終的に転職を実行した人が30.4%。
一方で転職エージェントに相談した人は7.5%にとどまりました。
出典:株式会社エンセッション「キャリアに関する悩みのアンケート」(2025年3月・n=280)
転職した人の多くが、専門家に相談しないまま決めている計算になります。
相談先としては、そもそも選ばれていないのかもしれません。
先に決めてから、エージェントに行く
順番を入れ替えるだけで、エージェントは急に使いやすくなります。
- 1何が嫌なのか、何を求めているのかを言葉にする
- 2条件に優先順位をつける
- 3その状態でエージェントに行く
順番を守れば、担当者も動きやすくなります。提案の精度が上がるぶん、届く求人の数も減るはずです。
足りないのは、根性でも意欲でもありません。
1と2が終わっていないだけです。
1と2をどこでやるか
一人でやるなら、書き出すところから始められます。
一人だと進まない場合は、人に話す方法もあります。
ただし相談先は選んでください。求人を紹介しないタイプのサービスもあります。
費用をかけずに相談できるものもあるので、そちらは別記事で整理しました。
まとめ:疲れたのは、あなたのせいじゃない

ずっと自分が優柔不断だからだと思ってました。仕組みの話だったんですね。

そういうことです。仕組みが分かると、罪悪感も消えるでしょう?
今日の内容を整理します。
- 162%が不満を感じている。あなただけではない
- 2報酬は入社時のみ発生する(年収の30〜35%)
- 3担当者は30人を抱え、月500万円規模のノルマがある
- 4だから迷っている人は後回しになる
- 5疲れたのは相性ではなく、タイミングの問題
エージェントは悪くありません。あなたも悪くありません。
ただ、行く順番が逆だっただけです。
着信を無視している自分を責める必要もありません。今は、決める前の段階にいるというだけの話です。
決まってから戻れば、同じエージェントが強い味方になります。

今日はエージェントのことは一旦置いて、何が嫌なのか書き出してみます。そっちが先ですね。

それが最短ですよ〜。急がば回れって、こういうときのための言葉ですからね。いってらっしゃい!




