
最近「コーチング」って言葉をよく見かけるんですけど、正直なにをするのかピンときてなくて。相談に乗ってもらうこと、ですか?

いい質問ですね〜。相談は相談なんですが、いちばんの特徴は「答えをもらえないこと」なんですよ。

え、答えをもらえないんですか?それだと相談する意味がないような……。

そこがポイントなんです!似ている相談先と並べて見ると、理解しやすいので一緒に見ていきましょう!
この記事で扱うテーマ
コーチングは答えをもらう場所ではない
結論から言います。コーチングは、答えを教えてもらう場所ではありません。
質問を重ねられる中で、自分の中にある答えに気づく仕組みです。
だから、コーチは「答えを持つ人」ではなく「質問を持つ人」だと言われます。
語源も、コーチ(coach)はもともと「馬車」を指す言葉でした。大切な人を、その人が行きたい場所まで送り届ける。行き先を決めるのは乗る人のほうです。
実際の対話には型がある
ただ雑談するわけではありません。代表的な進め方に「GROWモデル」という型があります。
- GGoal:どうなりたいのかを決める
- RReality:今どういう状況かを確かめる
- OOptions:取れる選択肢を洗い出す
- WWill:実際にやることを決める
この順番で質問されるだけで、頭の中が整理されていきます。「何がしたいか分からない」状態でも、Goalの手前から一緒に考えてもらえます。

似ている相談先との違い

カウンセリングとか、コンサルティングとか、似たようなものが色々ありますよね。何が違うんでしょう?

見るポイントは2つだけです。「誰が答えを出すか」と「過去と未来のどちらを見るか」。これで全部きれいに分かれますよ〜。
相談先は4種類あります。どれが優れているという話ではなく、扱う場面が違います。
| 相談先 | 誰が答えを出すか | 見る時間軸 | 主な目的 |
|---|---|---|---|
| コーチング | 本人(引き出す) | 現在と未来 | 目標達成と成長 |
| コンサルティング | 専門家(提示する) | 現在と未来 | 問題解決 |
| カウンセリング | 本人(受け止める) | 過去 | 心の回復 |
| 転職エージェント | 担当者(求人を出す) | 未来 | 転職の実現 |
順に見ていきます。
コンサルティングは、専門家が情報を集めて戦略を立て、答えのほうを渡してくれます。速いですが、自分で考える力はつきません。
カウンセリングは過去に目を向けます。今つらい原因がどこにあったのかを探る作業です。マイナスの状態をゼロに戻すイメージに近いといえます。
対してコーチングは、現在から未来を見ます。ゼロをプラスにする方向です。なので、今はっきりとした問題を持っていない人でも受ける意味があります。

転職エージェントとの違いは「行き先」
転職エージェントは求人を紹介するサービスです。
行き先が決まっている人には強いですが、行き先を決める段階では噛み合いません。
方向性が曖昧なまま登録すると、紹介された求人を見ても判断できません。「なんとなく違う」という感想だけが残りやすくなります。
まず整理してから、求人を見る。この順番のほうが結果的に早く進みます。
コーチングが向いている人
コーチングが向いてる人、向いていない人の違いを見てみましょう。
「指示してほしい」タイプの人には、コーチングよりコンサルティングのほうが合います。これは能力の差ではなく、求めているものの違いです。
また、コーチングが力を発揮するのは「重要だけれど緊急ではない」テーマだとされています。今日中に決める話ではなく、数年先を左右する話。まさにキャリアの悩みが当てはまります。
知っておきたい注意点
資格が必須ではない領域です
コーチングを行うことに法的な資格要件はありません。民間資格はありますが、必須ではないため、誰でもコーチを名乗れます。
また、コーチングには定まった定義がないため、有効性の範囲や限界をはっきりさせにくいという指摘もあります。だからこそ、実際に話してみて相性を確かめる工程が欠かせません。

まずは一人で試す方法もある

私は完全に「向いている人」のほうでした。でも、いきなり人に話すのは少しハードルが高い気もして。

それなら、まずは書籍などでより理解を深める方法も効果的ですよ。人に頼る範囲もはっきりしますから。
コーチングで扱う「価値観と強みの言語化」は、書籍でもある程度まで進められます。目的別に3冊紹介します。
| 目的 | 書名 | 特徴 |
|---|---|---|
| やりたいことを整理する | 世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方(八木仁平/KADOKAWA) | 好きなこと×得意なこと×大事なことを掛け合わせる手順。35万部突破 |
| 強みを言葉にする | さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 最新版(日経BP) | 34の資質から自分の上位資質が分かるウェブテストのアクセスコード付き |
| コーチング自体を知る | 新 コーチングが人を活かす(鈴木義幸/ディスカヴァー) | 全62項目を図解。1項目4ページで読める入門書。累計20万部 |
※以下は商品リンクです(アフィリエイトを含みます)
① やりたいことを整理する
世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方
八木仁平/KADOKAWA
好きなこと×得意なこと×大事なことを掛け合わせる3ステップ。35万部突破の自己理解メソッド。
② 強みを言葉にする
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 最新版
ジム・クリフトン他/日経BP
34の資質から自分の上位資質が分かるウェブテストのアクセスコード付き。世界で3000万人以上が実践。
ただし本には限界もあります。質問してくれる相手がいないことです。自分で自分に問いかけると、どうしても知っている答えに戻ってしまいます。
そこが物足りなければ、人に話す段階に進めばいい。順番はそれで十分です。
まとめ:答えは自分の中にある

やっと分かりました。答えをもらえないんじゃなくて、答えは最初から自分の中にあるって前提なんですね。

その理解、完璧です〜。だから「何がしたいか分からない」人こそ向いているんですよ。
コーチングは、質問を通じて自分の中の答えに気づく仕組みでした。
答えを渡すコンサルティング、過去を扱うカウンセリング、求人を紹介する転職エージェントとは役割が違います。
まずは書籍等で一人で試しても良いですし、物足りなければ人に話す。
どちらから始めても構いません。
なお、キャリアの領域では費用をかけずに相談できる選択肢もあります。有料との違いはこちらで整理しています。

まずおすすめされた本を1冊読んでみます。それで足りなかったら、話を聞いてもらいに行きます!

いい順番ですね〜。自分でやってみたぶん、人に話すときの言葉も出てきますから。いってらっしゃい!



