
この前、動画の広告で「好きなことより強みを活かせ」って言ってて。なるほどと思ったんですけど、じゃあ私の強みって何だろうと考えたら、そこで止まっちゃって。

あの手の広告、いちばん大事なところで終わりますからね〜。続きは有料です、みたいな。

まさにそれです。しかも調べたら「好きを仕事にするな」って意見も出てきて、結局どっちなんだろうと。

今日はその続きを全部やりましょう。研究データもありますし、なぜ強みが自分で分からないのかも、はっきりした理由がありますよ。
この記事で扱うテーマ
好きで選んでも、幸福度は変わらない
結論から書きます。
好きなことを仕事にしても、しなくても、最終的な幸福感はほぼ変わりません。
4021本の研究データをまとめた『科学的な適職』(鈴木祐・クロスメディア)をはじめとした
多くの職業研究が同じ結論に達しているそうです。
実際、好きを仕事にできている人は少数派です。
| 調査 | 結果 |
|---|---|
| Sirabee(1,501名) | 「好きなことを仕事にしている」は28.4% |
| パーソル総合研究所(1万人) | 仕事選びで「やりたい仕事であること」を重視するのは29.3% |
7割の人は、好きを基準にしていません。しかも重視する人の割合は、前年より下がっていました。

解剖学者の養老孟司さんは、もっと直球です。
(養老孟司/PRESIDENT Onlineのインタビューより)
とはいえ「好き」を捨てる話でもない
逆のデータもあります。
ロンドン大学が60年以上かけた追跡調査では、思春期に興味や好奇心を大事にしていた人ほど、人生の満足度が高かったという結果が出ています。お金や地位を重視した人は、逆に低くなりました。
好きなことは、やっぱり大事です。
問題は「好き」を単独で使うことにあります。
好き一本で仕事を選ぶと、収入も適性も無視した選択になるからです。
3つ揃って初めて機能する

好きは大事だけど、好きだけじゃダメ。じゃあ、あと何が必要なんですか?

あと2つです。この3つを掛け算するのが、今いちばん広まっている考え方ですね〜。
『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』の著者・八木仁平さんが広めた枠組みが、現在の主流になっています。35万部を超えるベストセラーです。
| 要素 | 中身 | 欠けるとどうなるか |
|---|---|---|
| 好きなこと | 興味・情熱の対象 | 続かない |
| 得意なこと | 自然にできてしまう行動 | 成果が出ない |
| 大事なこと | 価値観・譲れない条件 | 成功しても虚しい |
好きなだけで得意ではないと、努力の割に結果が出ません。
得意でも価値観に合わないと、うまくいっているのに満たされない状態になります。
3つが重なる場所を探す。これが枠組みの中身です。
ここまでは、広告や動画でもよく語られている部分だと思います。
※以下は商品リンクです(アフィリエイトを含みます)

3つのうち、得意だけ埋まらない
実際に書き出してみると、多くの人が同じところで止まります。
好きなことは書けます。大事なことも、時間をかければ出てきます。
得意なことだけ、空欄のまま終わります。
能力がないからではありません。理由は2つあります。
理由1:自然にできることは、記憶に残らない
得意なことは、努力している感覚がありません。息を吸うのと同じで、やっている自覚すらない。
だから「頑張ったこと」は思い出せても、「自然にできたこと」は思い出せません。
複数の専門家が、同じ言い方をしています。
当たり前すぎて気づけないことこそが、本当の得意なことだと。
理由2:基準を上げすぎている
「得意」と聞くと、プロレベルを想像してしまいます。
車の運転が得意な人がF1ドライバーと比べたら、誰も得意とは言えなくなります。
その比較を、自分に対してやっている状態です。
実際の基準は、もっと低いところにあります。周りより少しスムーズにできる。それで十分です。
ひとつだけ、自分で試せる方法
「他人にイラッとすること」を書き出してみてください。
イラッとするのは、自分の中に「こうあるべき」という基準があるからです。無意識に改善点が見えている領域が、得意なことに近い場所にあります。

結局、他人の目が要る

イラッとすることなら書けそうです。でも、それだけで強みが分かるものですか?

ヒントにはなりますよ。ただ、確定させるには誰かに見てもらうしかないんです。構造上そうなっています。
心理学に「ジョハリの窓」という考え方があります。自分と他人、それぞれが知っている領域を4つに分けたものです。
| 自分が知っている | 自分は知らない | |
|---|---|---|
| 他人が知っている | 開放の窓 | 盲点の窓 |
| 他人は知らない | 秘密の窓 | 未知の窓 |
「自然にできてしまうこと」は、右上の盲点の窓に入ります。他人からは見えていて、自分だけ見えていない領域です。
ノートに向かって何時間考えても、ここは埋まりません。
自分の目で自分を見ている限り、死角は死角のままだからです。
ジョハリの窓を使った自己分析の手順は、別記事で詳しく書きました。

他人の目を借りる方法と、その値段
他人に見てもらうといっても、相手は選ぶ必要があります。
友人や家族は気を遣います。上司は評価者なので、本音とは限りません。
そこで出てくるのが、キャリアコーチングのような専門サービスです。
ただし、値段を先に知っておいてください。
キャリアコーチングの相場
1ヶ月から半年のプランで20万〜100万円。大手2社の3ヶ月コースは、38万5,000円と59万4,000円です。
「強みが分からない」を解消するために払う金額としては、かなり重い。
無料カウンセリングには注意点もある
多くのサービスが無料体験を用意しています。ただ、そこで契約を迫られるケースも報告されています。
国民生活センターが2023年5月に注意喚起を出しました。タイトルはこうです。
(国民生活センター/2023年5月17日 公表)
報告されている手口は、だいたい共通しています。
- 1「今決めないと、この先もずっと変われませんよ」と不安を煽る
- 2「本日中の契約に限り○万円割引」と即決を迫る
- 3全額返金保証と説明しながら、実際は応じない
すべてのサービスが該当するわけではありません。
ただ、その場で契約を求められたら、一度持ち帰る。それだけ決めておけば防げます。
費用ゼロで試せる選択肢もある
高額なプランを避けたいなら、料金が発生しないサービスもあります。
採用企業から報酬を受け取る仕組みなので、相談する側の負担がゼロになる形です。仕組み自体は転職エージェントと同じですが、最初の1ヶ月を価値観と強みの言語化にあてる設計になっているサービスもあります。
相談は1回30分、LINEで完結します。強みの言語化だけ試して、合わなければそこでやめても構いません。
無料と有料で何がどう違うのかは、こちらで整理しました。
実際に使う場合の中身と、運営会社については別記事にまとめています。
まとめ:好きを捨てなくていい

強みが分からなかったのは、私の問題じゃなくて、そもそも一人では見えない場所だったんですね。

そういうことです。何時間ノートとにらめっこしても出てこないのは、当然だったんですよ〜。
今日の内容を整理します。
- 1好きを仕事にしてもしなくても、幸福感はほぼ変わらない
- 2ただし好奇心を大事にした人は、長期的な満足度が高い
- 3好き・得意・大事なこと、3つ揃って機能する
- 4得意だけは自分では見えない(盲点の窓)
- 5他人の目を借りる。ただし高額契約には注意
「好きなことを仕事にするな」は、好きを捨てろという意味ではありません。
好きだけを頼りにするな、という話でした。
そして残りの2つのうち、得意なことは一人では埋まりません。
広告が「強みを活かせ」で終わって、その先を教えてくれなかった理由も、たぶんそこにあります。
まずは無料の範囲で、誰かに見てもらう。
高いプランを契約するかどうかは、そのあとで決めれば間に合います。
費用は発生しません。1回30分、LINEで完結します。
強みを言葉にしてもらう
まずイラッとすることを書き出してみます。それを持って、誰かに聞いてもらうところまでやってみますね。

いい順番ですね〜。手ぶらで行くより、話が早く進みますから。いってらっしゃい!





