短期離職2回目は逃げなのか|回数ではない判断基準とは

フェーズ4 小さな再建期

悩める青年
悩める青年

去年転職した会社も1年もたずに辞めそうで。1回目は環境が合わなかったって言えたけど、2回目となると、もう自分の問題ですよね。

シノ先生
シノ先生

その結論を出すのは、まだ早いですよ。判断する材料が足りていません。

悩める青年
悩める青年

でも2回続けてるんですよ。逃げ癖がついてるんだと思います。

シノ先生
シノ先生

逃げかどうかは、回数では決まらないんです。ちゃんと別の見分け方がありますよ〜。

この記事で扱うテーマ

20代の転職回数の実態 企業が本当に見ているもの 逃げかどうかの判定 繰り返しを止める方法

20代の2回目は、まだ多数派の中にいます

厚生労働省の調査から、20代の転職回数を見てみます。

年齢転職回数の内訳
20〜24歳「1回」が69.7%。1〜2回で8割超
25〜29歳「1回」49.3%、「2回」23.9%。1〜2回で7割超

2回目までは、20代の7〜8割と同じ位置です。

採用側の目線でも同じことが言えます。マイナビの2025年調査によると、
20代に対して「3回以上で採用を躊躇する」と答えた採用担当者が66.4%でした。

裏を返せば、2回目の時点では、多くの企業がまだ許容範囲として見ているということになります。

もちろん有利ではありません。ただ、あなたが思っているほどではない、という話です。

企業が見ているのは回数ではない

悩める青年
悩める青年

3回目から躊躇するってことは、やっぱり回数で見られてるじゃないですか。

シノ先生
シノ先生

回数そのものを見ているわけではないんです。その先にあるものを推測しているだけで。

採用の現場を知る立場から、こんな説明があります。

企業が確認したいのはたったひとつ、「うちに来て、早期に辞めないか」です。
転職回数はそれを推し量るための代理指標にすぎません

企業からすると、採用と教育には1人あたり100万円以上のコストがかかります。すぐ辞められると、その分が消えます。

だから知りたいのは「この人はまた辞めるか」の一点だけです。
回数は、それを測るための目安として使われているにすぎません。

実際、基準は一定ではありません。dodaの調査では、40代の応募者に対して「転職回数は選考に影響しない」と答えた採用担当者が24.3%で最多でした。年代や業界で、見方は大きく変わります。

回数を減らすことはできませんが、「また辞める人ではない」と示すことはできます。

そのためには、まず自分で判断する必要があります。

逃げと撤退を分けるのは、回数ではない

ここからが本題です。

「逃げ」と「戦略的撤退」は、外から見ると同じに見えます。どちらも、その場を離れる行動だからです。

ただ、中身は違います。

逃げ戦略的撤退
動機嫌なことから離れたい勝ち方を変えたい
原因との向き合い見ないまま離れる原因を特定してから離れる
次に起きること場所が変わっても繰り返す同じ失敗は起きにくい

ある指摘が、この違いを端的に言い当てていました。

戦略的撤退と銘打って、課題の原因に向き合っていなかったら、それは逃げと同じ。
うまくいかなかった本質から逃げていると、所変わっても、また同じ失敗を繰り返すでしょう。

ここに判定の基準があります。

同じ理由で繰り返しているかどうか。
これが、逃げと撤退を分けるものです。

自分で確かめる方法

悩める青年
悩める青年

同じ理由かどうか、どうやって判断すればいいんですか。なんとなく同じような気もするし、違う気もして。

シノ先生
シノ先生

頭の中で比べると分からなくなります。書いて、並べてください。それだけです。

紙でもスマホのメモでも構いません。3つの質問に、1社目と2社目それぞれ答えてください。

ステップ1:書き出す

質問1社目2社目(今)
何が一番つらかったか
辞めたいと最初に思った瞬間は
次はこうしたいと思ったこと

きれいに書く必要はありません。単語でも構いません。

ポイントは「人間関係」のような大きな言葉で止めないことです。

具体的に書く例

❌ 人間関係がつらかった
⭕ 質問すると露骨に嫌な顔をされた

❌ 仕事が合わなかった
⭕ 毎日同じ作業の繰り返しで、覚えることが3日で尽きた

大きな言葉のままだと、どちらも「人間関係」に見えてしまいます。
具体的に書くと、まったく違う話だったと気づくことがあります。

ステップ2:見比べる

書けたら、左右を見比べてください。判定はシンプルです。

判定
理由が違っていた

逃げではありません。
環境を調整している途中です。

次は、今回分かった条件を足して選べます。
ほぼ同じだった

これも逃げとは限りません。
ただし未解決の課題があります。

そこに手をつけないと、3社目でも同じことが起きます。

どちらでも、あなたが悪いという話にはなりません。

右側だった場合も、「逃げ癖」ではなく「まだ解けていない問題がある」だけです。
問題が見えたなら、次に手が打てます。

同じだった場合にやること

もう一段だけ掘ります。その理由は、環境の側にあるものか、自分の側にあるものか。

環境側自分側
怒鳴る上司がいた質問するのが極端に苦手
残業が常態化していた断ることができない
教育の仕組みがなかった分からないまま進めてしまう

環境側なら、次の会社を選ぶときの条件になります。面接で確認すればいい話です。

自分側なら、転職しても付いてきます。ただし性格を直せという話ではありません。合う環境を選べばいいだけです。

質問が苦手なら、マニュアルが整っている会社を選ぶ。断れないなら、業務量が管理されている会社を選ぶ。

直すのではなく、避ける。それで十分です。

続けることが正解とも限らない

ここまで読んで、「やっぱり今回は我慢して続けるべきか」と思ったかもしれません。

そこにも落とし穴があります。

経営の判断でよく問題になるのがサンクコスト効果です。すでに使った時間やお金を「無駄にしたくない」と思うあまり、合理的に判断できなくなる心理を指します。

「ここまで1年やったから」
「せっかく入った会社だから」

この理由で続ける判断は、過去を守るための判断であって、これからのための判断ではありません。

企業なら撤退ラインを事前に決めておくのが定石とされています。感情に流されずに判断するためです。

「3年は続けるべき」という言葉にも根拠がないので、そちらもあわせてどうぞ。

まとめ:回数では決まらない

悩める青年
悩める青年

書いてみたら、1社目は上司が怖かった、2社目は仕事が単調すぎるでした。全然違いますね。

シノ先生
シノ先生

だいぶ違いますね〜。それなら次は「人が穏やかで、仕事に変化がある職場」を探せばいいわけです。条件が2つ増えましたね。

今日の内容を整理します。

  • 120代の2回目は、7〜8割と同じ位置。3回目が分岐点
  • 2企業が見ているのは「また辞めないか」の一点。回数は目安にすぎない
  • 3逃げと撤退を分けるのは、同じ理由で繰り返しているかどうか
  • 4同じ理由でも「逃げ癖」ではなく、未解決の課題があるだけ
  • 5「ここまでやったから」で続ける判断は、過去を守っているだけ

2回目という数字だけで、自分を裁く必要はありません。

回数は結果であって、中身を説明していないからです。
見るべきは、何回辞めたかではなく、毎回同じところでつまずいているかどうか。

違っていたなら、条件が増えただけです。
同じだったなら、やっと問題が見えたところです。

どちらにしても、2回分の情報が手元にあります。1社しか知らない人より、選ぶ材料は多いはずです。

自分の傾向をもっと整理したい方は、こちらもどうぞ。

お金の不安で動けない場合は、こちらで整理しました。

悩める青年
悩める青年

逃げてるかどうかばかり考えてました。書き出す方が、よっぽど早かったですね。

シノ先生
シノ先生

頭の中だけで裁こうとすると、たいてい厳しい判決になりますからね〜。紙に出すと、案外冷静になれますよ。

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