
転職しようかなと思って調べてたんですけど、色々見てたら「6割が後悔している」みたいな記事を見つけてしまって。結構不安になってきました。

その数字、実は裏側があって。同じ調査で「満足している」と答えた人が77%もいるんですよ。

え、後悔6割と満足77%が同時に成り立つんですか?

成り立つんです。ただ、その前に「今は転職しないほうがいい人」の話からしましょうか。あなたが当てはまるかどうかで、次にやることが変わりますから。
この記事で扱うテーマ
今は転職しないほうがいい5つのケース
先に結論を書きます。転職しないほうがいい人とは、転職に向いていない人ではありません。まだ整理が済んでいない人のことです。
複数の転職支援サービスが挙げているケースを整理すると、5つに絞れます。
1. 人間関係だけが理由になっている
転職経験者500人へのアンケートで、「思いとどまったほうがいいケース」の1位がこれでした。500人中156人が挙げています。
理由は「異動で人間関係が変わるかもしれない」「どこに行っても合わない人はいる」というもの。ただしパワハラは別だと明確に区別されています。
2. 感情が高ぶっている
上司に強く叱られた直後、大きなミスをした翌日。冷静な判断ができない状態での決断は、後で見え方が変わります。
1週間置いても同じ気持ちなら本物です。それまでは決めないほうが安全です。
3. 転職で何を解決したいか説明できない
「なんとなく今の会社が嫌」という状態のまま動くと、次の会社を選ぶ基準がありません。
求人を見ても判断できず、条件の良さそうな会社に流されます。基準がないまま選ぶと、次も同じ不満が出ます。
4. 今の場所で解決できる可能性が残っている
異動願い、上司への相談、担当業務の変更。会社の中で試せる手段が残っているなら、先にそちらを使うほうが早いことがあります。
転職は選択肢の一つであって、最初の手段ではありません。
5. 優先順位がつけられない
年収も休日も仕事内容も人間関係も、全部良くしたい。この状態だと、どの求人を見ても決められません。
大手転職エージェントも「優先順位をつけられない人は、整理ができるまで転職を保留しても良い」と書いています。
5つに共通していること
どれも「転職が向いていない」という話ではありません。判断材料が足りていない状態だということです。
材料が揃えば、転職するかしないかは自分で決められます。

「6割が後悔」の正しい読み方

私、3番と5番が当てはまりました。それで、さっきの数字の話なんですけど。

では見てみましょう。同じ1,000人に聞いた調査の結果です。
「転職者の6割が後悔」という数字は、株式会社識学が2022年に行った調査(1,000人)が出典です。同じ調査に、こう並んでいます。
| 質問 | 結果 |
|---|---|
| 勤務先に満足しているか | 77.2%が「満足」 |
| 不満を感じたことがあるか | 78.5%が「ある」 |
| 後悔・失敗したと思ったことがあるか | 59.7%が「ある」 |
出典:株式会社識学「転職後の幸福度調査」(過去3年以内に転職した22〜59歳の会社員1,000人/2022年6月)
同じ人が「満足している」と「不満を感じたことがある」の両方に答えています。
しかしこれは矛盾していません。なぜなら質問が違うからです。
「今どうですか」と聞けば満足。「そういう瞬間はありましたか」と聞けば後悔。
後悔した経験があることと、転職が失敗だったことは別の話です。
公的な統計はもっと落ち着いている
厚生労働省も同じテーマを調べています。約1万人の転職者を無作為に抽出した調査です。
| 今の勤務先に満足(「満足」+「やや満足」) | 53.4% |
| 不満(「不満」+「やや不満」) | 11.4% |
出典:厚生労働省「令和2年 転職者実態調査」(約17,000事業所・約10,000人の転職者を無作為抽出)
不満を持っている人は1割です。ネットのアンケート調査と公的統計では、対象の選び方が違うので数字も変わります。
「6割が後悔」だけを見て決めないほうがいい、ということです。

留まっても、モヤモヤは消えない

じゃあ私は当てはまったので、今は転職しないでおきます。それで解決ってことなんですよね……?

それもちょっと違っていて。「転職しない」を選んでも、モヤモヤ自体は残りますからね〜。
ここが多くの記事で語られない部分です。「転職しないほうがいい」で終わると、読者のモヤモヤはそのまま残ります。
このブログではそんなことはいたしません。
まずは、キャリアに悩む社会人280名への調査を見てみましょう。
| モヤモヤが続いた期間 | 割合 |
|---|---|
| 1年以上 | 43.9% |
| 3ヶ月未満 | 13.6% |
| 1ヶ月未満 | 11.1% |
出典:株式会社エンセッション「キャリアに関する悩みのアンケート」(全国の社会人280名/2025年3月)
1年以上モヤモヤが続いた人が4割超。短期間で解決した人は2割ほどでした。
同じ調査で、最終的に「何もせず様子を見た」と答えた人が23.9%います。
転職を検討した人は42.5%いたのに、です。
言語化しないまま動くと、次でも同じことが起きる
組織人事コンサルタントの安藤健氏は、著書『転職はタイミングが10割』でこう指摘しています。
つまり転職するかしないかより先に、モヤモヤの中身を言葉にするほうが順番として早いということです。
ここを飛ばすと、留まっても1年以上悩み続け、動いても同じ不満に戻ります。

相談したい人が、相談できていない

言葉にするのが先、というのは分かりました。でも一人でやると、結局同じところをぐるぐる回ってしまって。

そうなんです。だから人に話すんですが、ここにも壁があるんですよ〜。
同じ280名の調査に、相談についてのデータもあります。
- 1誰にも相談しなかった人:36.4%(約3人に1人)
- 2相談した相手:家族32.9%、友人・同僚20.4%、上司16.4%
- 3転職エージェントに相談した人:7.5%
転職を実行した人は30.4%いました。それなのに、専門家に相談した人は7.5%です。
大きな決断を、身近な人への相談だけで決めています。
相談しても解決するとは限らない
そして、相談した後の結果がこうです。
| 完全に解決した | 8.4% |
| 少しは解決したがまだ不安 | 38.2% |
| ほとんど変わらなかった | 20.8% |
| 相談したことで悩みが深まった | 5.1% |
完全に解決した人は8.4%だけ。6割超がモヤモヤを抱えたままです。
家族や友人は味方でいてくれますが、キャリアの専門家ではありません。ここに限界があります。
本当は専門家に相談したい人が多い
この調査で一番示唆的だったのが、最後の設問です。
「もし費用や手間を気にせず相談できるなら、誰に相談したいか」と聞くと、答えが変わりました。
| 相談したい相手 | 割合 |
|---|---|
| 転職エージェント | 13.9% |
| キャリアコーチ・メンター | 12.8% |
実際に相談した人は7.5%だったのに、条件を外すと専門家が上位に来ます。家族や友人は大きく減りました。
相談したくないのではなく、費用と手間が壁になっているということです。
ちなみに、キャリアコーチングの費用相場は3〜6ヶ月で30万〜60万円が中心です。壁になるのも当然です。
ただし、この2つの壁を外した選択肢もあります。無料で、1回30分から相談できるサービスです。
まとめ:決めるのは、材料が揃ってから

分かりました。私、転職するかしないかを先に決めようとしてたから動けなかったんですね。

そこに気づけましたね〜。順番を入れ替えるだけで、ずいぶん楽になりますよ。
この記事で確認したことを整理します。
- 1転職しないほうがいい人=整理が済んでいない人。5つのケースがある
- 2「6割が後悔」は経験の有無。同じ調査で77.2%が満足と答えている
- 3留まっても、4割超が1年以上モヤモヤを抱えたまま
- 4相談しても完全に解決するのは8.4%。相手選びで結果が変わる

転職するかしないかは、後で決めれば間に合います。先にやるべきは、モヤモヤの中身を言葉にすることです。
言葉になれば、転職が必要かどうかも自然と見えてきます。「なんとなく嫌」のままでは、どちらを選んでも判断できません。
まず一人でやってみたい方は、こちらから始められます。
誰に相談すればいいか迷う場合は、相談先の違いをこちらで整理しました。

今日は転職するかどうかは決めません。まず何が嫌なのか、書き出すところからやってみます。

それが一番早い順番ですよ〜。決めないと決めるのも、立派な判断ですからね。いってらっしゃい!





